第5回:Illustrator問題1

課題内容:年表の制作

「問題1:年表の制作」では、支給されたテキストと画像を使用して、年表パネルをIllustatorで制作するという課題が出題されました。

【問題文全文】

この課題の問題文を確認したい方は、こちらのPDFをご覧ください。

出題の意図

過去のジャグラコンテストでは、サンプルと同じものをアプリケーション上で再現する課題が多かったのですが、今回は書体の選択、枠・吹き出しのデザインに自由度を持たせました。そのため、悩まれた方も多かったと思います。
デザインの自由度を保たせたのは、実際の仕事では曖昧な指示書とデザイン素材のみ提供されることも多いので、そのような案件に柔軟に対応できるかを見る意図がありました。ただし、デザインの良さを競うコンテストではありませんので、採点の基準はあくまでIllustratorの機能を巧みに使いこなしているかをポイントとしています。あわせて、年表として使うのに適したフォントを選択しているか、図版や文字組みなど各パーツが見やすいように配置されているかなども採点項目としています。

完成見本

課題のポイントと必須技能

今回の年表の課題では、吹き出しのデザインと写真枠のデザイン指定がありますが、支給された原稿の文字数や写真の大きさはまちまちです。それに合わせるために1つずつサイズ調整していては時間がかかってしまいます。そこで、アピアランス機能を組み合わせることで自動的にサイズ調整されるよう、効率化が図れているかがポイントとなります。
写真の白枠の処理については、配置した画像に白線を足しただけでは白枠は表示されませんが、オブジェクトのアウトラインに白線を追加することで白枠が表示されるようになります。あとはドロップシャドウを追加するだけで写真の白枠と影が作成できます。
段落スタイルと同様に、アピアランスを適用した図形も、グラフィックスタイルとして登録することができます。こうしておけば、写真や吹き出しを選んでグラフィックスタイルを適用するだけで同じデザインに変えることができます。

この課題で一番の難所は?

吹き出しは各所で中に入る文字数が違うため、文字数に合わせてサイズ調整されるボックスを作成するには「形状に変換」機能を利用します。塗りを追加し、パスのアウトラインと角丸長方形を追加することで文字数に追随する下敷きの白ボックスができあがります。
ただ、それだけでは吹き出しのヒゲの部分がありません。塗りを自由変形で三角形にすることでヒゲにすることもできますが、このような場合は、線を別に用意してグループ化した方が汎用性が高くなります。文字色の黒の塗りの下に、白の塗りを作成し、「パスのアウトライン」「形状に変換:角丸長方形」を追加します。これで文字に追随する吹き出しのベースができます。
ひげの部分は線を作成し、線幅プロファイルで片方だけが線幅0%になるようにします。下地を白くした文字と線をグループ化し、全体にかかるドロップシャドウを追加することで完成します。

課題出題者からのメッセージ

吹き出しや写真が多く登場するデザインでは、アピアランスを組み合わせたパーツアイテムを最初に作り、グラフィックスタイルに登録しておけば、同じようなデザインを再び使う際に簡単にデザインを適用できたり、同じスタイルを適用したオブジェクトのデザインを一括変更できるようになります。もちろん、文字組みも段落スタイルに登録しておけば、書体変更が生じた際も、段落スタイルの設定を変更するだけで一括変更することができます。
本課題に取り組むことで、個々のオブジェクトをそれぞれ編集する手間を省き、余った時間でデザインに注力するなど、時間を有意義に使っていただけるようになれば嬉しく思います。

注意事項

課題解説で紹介する手法は、この課題において模範となる例であって、その内容が各社の手法と異なる場合、それを否定するものではありません。ご理解とご了承をお願いします。