第3回:InDesign問題2

課題内容:縦組み新聞レイアウトの制作

「問題2:縦組み新聞レイアウトの制作」では、支給された文字原稿、画像、指示書・割付表に基づき、B4縦1色の縦組み新聞レイアウト4ページ分を制作する課題が出題されました。また、前提として「今後もシリーズとして続くため、各種スタイルやフォーマット等を効率良く流用できるようにしてください」との指示も出されました。

【問題文全文】

この課題の問題文を確認したい方は、こちらのPDFをご覧ください。

出題の意図

過去のコンテストでまだ新聞組みが出題されていなかったため、縦組みレイアウトの新しい課題として出題されました。
支給データに、書式等が記載された指示書のほか、原稿流し込みの順番が明確に指示された割付表を添付することにより、新聞組みが初めての方でも取り組みやすいようにするとともに、指示書の指定に従い正確にレイアウトできるオペレーターを評価するねらいがありました。

完成見本

割付表

課題のポイントと必須技能

新聞組みは書籍と違って段組があり、流し込み方も複雑なので、テキストを一括で流すのが困難です。
また、校正を出すたびにレイアウト変更が発生することも多々あるため、指示書の内容に準拠しつつ、原稿の増減やレイアウト変更にも柔軟に対応できるデータになっているかが審査のポイントです。
主なInDesignの必須技能は以下の通りです。

【必須技能】

  1. マスターページ:ページ番号は「現在のページ番号」を使用して作成されているか。
  2. オブジェクト:テキストフレームが割付表の指示通りに連結されているか。
  3. 段落スタイル:
    • テキスト原稿には段落字下げのスペースが入っていないため、適切に字下げ処理がされているか(「1行目左/上インデント」で加点)。
    • 見出しはツメ処理されているか(プロポーショナルメトリクスで加点)。
    • 2桁の数字が連数字処理されているか(自動縦中横で加点)。
    • 見出しの行取りの設定は適切か。
    • 見出しのフォントの組み合わせは適切か(合成フォントで加点)。
    • 段落スタイルが作成・適用されているか(最低でも本文の段落スタイルは必須)。
    • 文字スタイルが作成・適用されているか。
    • 「“ ”」が縦組み用に処理されているか(等幅全角字形を正規表現スタイルで適用していれば加点)。
    • 本文中の「図1」等は小塚ゴシックRとしているか(正規表現スタイルが使われていれば加点)。
    • 段間罫・飾り罫は指定通りの設定になっているか。

また、支給画像の一部にRGB 画像が含まれており、それらが印刷データとして適切に処理されているかも審査の対象となりました。

この課題で一番の難所は?

「問題2:縦組み新聞レイアウトの制作」は“InDesign機能を使い倒す” というより、実務でよく使う標準的な技能を問う内容としたため、複雑なInDesign機能を使う箇所はありません。
強いて難所を挙げるならば、1ページ目の罫線付きリード文の設計をどうするかです。処理のしかたはいろいろありますが、表組み機能を使うのがもっとも効率的ではないかと考えます。

課題出題者からのメッセージ

この課題を通して、新聞組みの基本技能と、指示書準拠でレイアウトする力を身に着けていただけたら非常に嬉しく思います。
以下、制作手法についての補足ですが、実際の仕事で新聞組みを手掛ける場合、原稿の追加削除が発生し、後からレイアウトの大幅な変更を余儀なくされることが多々あります。そのため、テキストボックスに段組機能を使うとかえってレイアウトしづらいケースも少なくありません。
経験上私がオススメするのは、テキストボックスを1つ1つ置いてテキストリンクする方法です。そうする方が、結果的に早く仕上がるのではないかと考えます。
また、柱に「第1号」と入れる箇所がありますが、この部分にファイル名、章番号などを自動的に抜き出して表示させる「テキスト変数」機能を使用することで、左右ページの入力ミスを防ぐことができるでしょう。

注意事項

課題解説で紹介する手法は、この課題において模範となる例であって、その内容が各社の手法と異なる場合、それを否定するものではありません。ご理解とご了承をお願いします。