第4回:Illustrator問題1

課題内容:パッケージの制作

「問題1:パッケージの制作」では、既存のテンプレートをもとに、カレーのパッケージを制作する課題が出題されました。

【問題文全文】

この課題の問題文を確認したい方は、こちらのPDFをご覧ください。

出題の意図

パッケージの展開図を制作する問題です。通常の印刷物と違い、印刷後に糊付けなどの工程が発生しますので、後工程を考慮したデータを作成する必要があります。
また、PDFで配布した商品箱の完成イメージ図を見ながら制作するよう指示されているため、テクニックだけではなく細かい観察力が要求される問題内容となっています。

完成見本

完成見本

課題のポイントと必須技能

今回のパッケージ制作では、左右側面部分と上下面部分がそれぞれ同じデザインになっていますので、データ納品後の修正を簡単にするために、「アピアランス機能」、「シンボル機能」などを利用して効率化が図られているかが高得点のポイントとなります。何も対策していないと、複数箇所に同じ修正をするか、コピー&ペーストをする必要があり、いずれもあまり効率的ではありません。
また、「効果」を利用して作成する部分については、「ドキュメントのラスタライズ効果設定」を300ppi以上に設定する必要があります。
シンボル機能ドキュメントのラスタライズ効果設定

この課題で一番の難所は?

「問題1:パッケージの制作」では、フチ文字がたくさん使われています。フチ文字を作成すると、文字と文字の間などに隙間ができてしまうことがあります。
PDFで配布した商品箱の完成イメージ図では、この隙間をすべて塗りつぶしてありますので、同様の処理をする必要があります。隙間を埋める方法としては、隙間部分がグラデーションなので、下図のようなアピアランスを利用すると簡単です。

すきま
すきまなし
アピアランスパスファインダー

課題出題者からのメッセージ

「問題1:パッケージの制作」は、Illustratorのアピアランス機能を多用します。アピアランスは作成するのに手間がかかりますが、一度作成したものをグラフィックスタイルやシンボルに登録して社内全体で共有すれば、格段に生産効率が上がります。
パッケージ制作が初めての方にとっては、わからないことも多く大変だったと思いますが、本課題へ寄せられた受験者の皆さんからの感想には「勉強になった」「楽しかった」との前向きなコメントも多く見られました。
未知の課題に挑戦することで、初心に返ってIllustratorの奥深さや新たな魅力を再発見していただけたら非常に嬉しく思います。

注意事項

課題解説で紹介する手法は、この課題において模範となる例であって、その内容が各社の手法と異なる場合、それを否定するものではありません。ご理解とご了承をお願いします。