第6回：InDesign問題2

課題内容

「問題2：新製品発表会のお知らせ制作」は、InDesignのページ機能を活用して巻き三つ折り縦向きのリーフレットを制作する課題です。

【問題文全文】

この課題の問題文を確認したい方は、こちらのPDFをご覧ください。

出題の意図

この問題を通して、InDesignで巻き三つ折り縦向き用のテンプレートを作成できるようになります。
このような仕事は各担当者が毎回白紙から作成するより、データをテンプレート化しておくことで効率化することができます。また、テンプレート化しておくことで、それを利用する人ができるだけミスなく作業できるように支援する仕組みを提供することもできます。
印刷事故を起こさないデータの作成方法を習得する手助けになればと思い、この問題を作成しました。

完成見本

課題のポイントと必須技能

◎ページの操作

【ページパネル】と【ページツール】を利用して、三つ折りの表面と裏面を作成します。
InDesignのデフォルトでは、自動的にスプレッドが2ページごとになります。よって、このような作業をするときは、ページパネルメニューの【ドキュメントページの移動許可】のチェックをはずす必要があります。
また、このときにスプレッドを回転させておくと、文字の入力作業などが効率的にできます。

◎グラデーション

グラデーションを作成するときに、【グラデーションパネル】を使用するとスウォッチパネルやカラーパネルを併用する必要があります。
【スウォッチパネル】から【新規グラデーションスウォッチ】を利用するか、プロパティパネルの【アピアランスの塗り】を利用するとひとつのパネルだけで作業ができます。

◎テキスト変数

テキスト変数を利用すると複数箇所のテキストを一括で修正できます。

◎プリフライト

【プリフライトプロファイル】で、最小線幅とRGBカラーを登録することで、InDesignに配置したIllustratorの線幅などを自動的にチェックできます。

◎埋め込み

地図データは、【リンクパネル】で埋め込み処理できます。

◎テンプレート

ファイルの保存は、InDesignテンプレート形式にします。

この課題で一番の難所は？

プリフライト機能の細かい機能に精通している必要があります。できれば、これを機会にプリフライト機能でできる作業を確認してみてください。
また、プリフライトプロファイルは、ファイルに埋め込まないと作業したPCに保存されてしまうので、複数でデータを共有するときは、ファイル自体に埋め込んでください。

テキスト変数は、書籍の柱などでよく利用されますが、それ以外にもさまざまなときに利用できます。段落スタイルや文字スタイルとの連携も確認してみてください。

課題出題者からのメッセージ

今回のデータには、地図のデータを埋め込んでいます。InDesignにデータを埋め込むときは、コピー＆ペーストするよりリンクパネルを利用すると便利です。修正が必要になったとき、リンクパネルから埋め込んだデータを別ファイルとして書き出すことができるからです。

色紙に印刷したときのシミュレーションとして、スウォッチパネルの【紙色】を利用する方法と効果パネルの【乗算】を利用する方法があります。どちらの方法でも同様のことができますが、【紙色】を利用した方が効率的です（今回は、どちらの方法で作業されても採点時に点数の差はありません）。また、紙色を利用してシミュレーションするときは、表示メニューの【オーバープリントプレビュー】を適用しないとIllustratorで作成した白色の部分の確認ができませんので注意が必要です。（このことに言及されていたのは、今回のコンテスト参加者の中で、1名だけでした。）

提出されたPDFデータを確認すると、ほとんどの方がすばらしい仕上りだったので、レベルの高さを実感できました。点数の差は、データの効率化の部分で生じました。

模範データ

この課題のInDesign模範データを確認したいコンテスト参加者の方は、下記よりダウンロードいただけます。
ダウンロードの際は、第1次審査課題用データのダウンロード用ID・パスワードの入力が必要です。
ダウンロード用ID・パスワードは、ご参加者宛に郵便および宅配便で送付した資料内「第1次審査資料送付のご案内」に記載しています。

問題2のInDesign模範データをダウンロード（要ID/PW）

注意事項

課題解説で紹介する手法は、この課題において模範となる例であって、その内容が各社の手法と異なる場合、それを否定するものではありません。ご理解とご了承をお願いします。